2015.04.12 Rock's UP vol.3 ~4thアニバーサリー ちょっとだけアコーステッィクナイト♡~

Rock's UP 四周年の記念イベント。場所はもちろん横川シネマ。改装された会場で、バリエーション豊富な四アーティストの饗宴。気がつけば、奈良と広島の組み合わせ。バンドと弾き語りの組み合わせ。男と女の組み合わせ。こんなラインナップ二度とないんじゃないかな、なんて事を思いながら、この不思議な縁に運命的なものを感じてたりしていた。

PHOTO:MiNORU OBARA

REPORT:HIRO.

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ムカイダー・メイ
ムカイダー・メイ

 イベントのトップバッターは、ムカイダー・メイ。初の横川シネマで緊張をしながらも、それを彼女の曲にうまくフィードバックさせながら、彼女自身と会場のお客さんまでも巻き込んで、曲の世界に惹き込んでいく。歌詞やアコギの旋律と共に、自分の心境を表情へ映しつつ、笑ったり哀しそうな顔をしたり、時には目を剥いて歌ったりして、曲の中へ見事に入り込みながら、自分の伝えたい感情を表現していく。ムカイダー・メイとは何者か、という人達がほとんどだったに違いないが、そんなお客さんの心の中に、確かな爪痕を残すには十分すぎるほど深くて力強いライブだった。 

山田エリザベス良子
山田エリザベス良子

 続いて登場したのは、映画館ライブをすでに十数回経験していると語る山田エリザベス良子。ゲストにはピアニストlio(ex.√thumm)。ピアノデュオでライブをするのは、この日が初めてだという、スペシャルな編成。とにかく彼女は歌声が圧倒的。伸びやかで力強く、それでいて高低のどんな音階でも自在に操る。まるでオペラを観ているかのような錯覚。歌というより、歌劇に近い程の表現力だと思った。さらに、ピアノの美麗なメロディーとのコントラストが実に絶妙で、曲の良さを何倍にも引き出していたような気がした。完璧な演奏を終えた後に、降り注がれた鳴り止まない拍手が、山田エリザベス良子の素晴らしさの証明だった。

カングルワングル
カングルワングル

 三番目に登場したのは、周年イベント皆勤賞のカングルワングル。この日もリラックスした雰囲気から、えげつない爆音と奇天烈な曲展開で、横川シネマの雰囲気を自在に制圧していく。曲が終わるたびに酒を飲み、ゆらりゆらりと喋りつつ音を奏で歌を歌う彼等を見ながら、"陶酔"という言葉がぴったりな程に、自分たちのライブと、イベントの雰囲気に酔いしれており、そしてその空気を客席へも伝播させていく。ラストのモスマンはいつもより凄まじく、曲そのものがライブのたびに進化を遂げているようだ。最後まで飄々としながら、掴めるようで掴めない彼等の不思議さを、見事に演じきった。

LOSTAGE
LOSTAGE

 トリはLOSTAGE。SEが鳴った瞬間から張り詰める緊張と空気が、LOSTAGE特有のそれである。轟音を細微に操り、五感に訴えかける程に振り絞られるライブ。感情が浸食されていくようだ。席がある場所で演るのは変な感じがする、と五味兄が語りながら、曲の合間はいつもの兄弟の掛け合いで緊張した空気を弛緩させる。この日のセットリストは、着座ライブを意識してか、濃密で力強く、深く深く感情をえぐる曲が並んでいた。本編最後のGood Luck。そして、彼等の最も古いバラード2:50。一つ一つの音が記憶に刷り込まれるような楽曲を余すところなく堪能しながら、この日のイベントは最高の余韻を残したまま幕を閉じた。

 まるで、4本立ての映画を観たかのような、色が異なるアーティスト達の共演。横川シネマという特殊な会場の独特な空気とか色とかも相まって、とても面白く稀有なイベントになったんじゃないかと感じた。横川シネマとRock's UPがいつも産み出す面白い融和を、これからも続けていきたいし、見続けて行きたいと思う一夜だった。

DISC to ROCK!